OB・赤杭・アンプレヤブルの処置基本|「何打罰?」でもう迷わない実戦ルール整理

OBは何打罰?赤杭はどこにドロップ?と毎回迷う方へ。ストロークと距離の原則、暫定球の宣言、赤杭・黄杭の救済、アンプレヤブル、前進4打の位置づけ、カート道の無罰救済まで、約280ラウンドの52歳サラリーマンゴルファーがその場で迷わない形に整理しました。

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ティーショットが左の林へ一直線。白杭の向こうに消えたのか、手前で止まったのか分からない。「これってOB?」「何打罰だっけ」「前から打てるんだっけ」——ティーイングエリアで全員が顔を見合わせて、時間だけが過ぎていく。ゴルフ場で本当によく見る光景です。

結論から言うと、アマチュアが現場で迷う処置は、ほぼ5つの型に整理できます。OB、ペナルティエリア(赤杭・黄杭)、アンプレヤブル、前進の特設ティ、そしてカート道の無罰救済です。この5つの型さえ覚えれば、その場で固まる時間はほとんどなくなります。私はドライバーのフック癖のせいで、左の林ともOBとも22年の長い付き合いです。ミスを技術で完全には避けられない以上、せめて処置だけは迷わない。「気合より仕組み」で体に入れた型を、この記事に全部書きます。

なお、ルールは2019年に大きく変わりました。この記事では改定後の現行ルールの、広く確立された基本だけを扱います。細かい特殊ケースは、競技ではその場の競技委員に確認してください。

OBの基本は「1罰打で、打った場所から打ち直し」

OBの処置は一つだけ覚えれば足ります。1罰打を加えて、直前に打った場所から打ち直しです。これが「ストロークと距離」と呼ばれる原則です。ティーショットがOBなら、ティーから打つ次の球は3打目になります。1打目、罰の1打、そして打ち直しで3打目という数え方です。

セカンドショットをOBに入れた場合も同じで、セカンドを打った場所に戻って4打目を打ちます。覚え方は「OBはとにかく元の場所に戻る」。赤杭のように前へ進んで横からドロップする処置は、OBにはありません。ここが次に説明するペナルティエリアとの一番の違いです。

OBかどうかの判定は、基本は白杭の内側を結んだ線で見ます。球全体が線の外に出ていればOB、一部でも線の内側にかかっていればセーフです。私はフック癖のせいで左の白杭際に何度も立ち会ってきましたが、際どいときは自分一人で決めず、同伴者と一緒に確認しています。フックの原因と対策はドライバーのフックを直すに書いたとおり、いまだに完治していません。だからこそ、処置だけは即答できるようにしてあります。

暫定球は「宣言してから」打つのが絶対条件

OBか微妙な球を打ったら、その場で**「暫定球を打ちます」と声に出して宣言してから**、もう1球打ちます。この宣言が絶対条件です。宣言せずに打つと、基本はその球が正式にプレーする球になってしまい、最初の球がセーフで見つかっても戻れません。「もう1個打っとくわ」ではなく、「暫定球」という言葉をはっきり使うのが安全です。

暫定球は保険だと考えてください。最初の球がセーフで見つかれば、暫定球を拾い上げて無罰でそのまま続行。見つからなければ、暫定球でプレーを続けます(ティーショットOBなら暫定球が3打目、次が4打目)。どちらに転んでも歩いて戻る必要がなく、後ろの組を待たせません。

ちなみにボールを探せる時間は、基本は3分までです。以前は5分でしたが、2019年の改定で短くなりました。「怪しいと思ったら迷わず暫定球」。これはルールの話であると同時に、進行の話でもあります。組全体のテンポを守る工夫はスロープレーを防ぐ習慣にまとめたので、あわせてどうぞ。

赤杭と黄杭——ペナルティエリアは「前に進める」

池や崖沿いに立つ赤や黄色の杭は「ペナルティエリア」の印です。OBとの決定的な違いは、1罰打を払えば前に進めること。まず、赤黄共通の選択肢が2つあります。

  1. 1罰打で、直前に打った場所から打ち直す(OBと同じ処置)
  2. 1罰打で、球がエリアの縁を最後に横切った地点とピンを結んだ後方線上にドロップ

黄杭はこの2つだけです。赤杭には、使い勝手のいい選択肢がもう1つ加わります。

  1. 1罰打で、球が縁を最後に横切った地点から2クラブレングス以内、ホールに近づかない場所にドロップ

つまり赤杭なら、池のすぐ横から次を打てるわけです。実戦で使うのは圧倒的にこの3番が多いので、「赤杭は横に2クラブ」とだけでも覚えておくと現場で迷いません。基準になるのは球が最後に縁を横切った地点であって、球が沈んでいる場所ではない点にだけ注意してください。

なお、ペナルティエリア内の球は、打てそうなら無罰でそのまま打ってもかまいません。2019年の改定で、基本はクラブを地面に付けて構えることも認められました。ただし水際の悪いライで深追いすると、1打では済まなくなります。狙うかどうかは、ダブルボギーを防ぐコースマネジメントで書いた「成功率8割ないなら安全策」の物差しで判断するのが私の決めごとです。

アンプレヤブルは「1罰打で買える脱出ボタン」

木の根元に球が止まって振れない。そんなときに使えるのがアンプレヤブルです。ペナルティエリアの中以外なら、コース上のどこでも自分の判断だけで宣言できます。誰の同意も要りません。1罰打で、選択肢は3つです。

  1. 直前に打った場所から打ち直す
  2. 球とピンを結んだ後方線上にドロップ
  3. 球の位置から2クラブレングス以内、ホールに近づかない場所にドロップ

バンカー内でアンプレヤブルにする場合は、基本はバンカーの中にドロップする決まりです(罰打を増やせば外に出せる選択肢もありますが、まずは「バンカー内」と覚えれば十分です)。

大事なのは、アンプレヤブルは「負け」ではないということです。木の間の隙間を無理に狙って2打3打と失うくらいなら、1罰打で開けた場所からやり直すほうが確実に傷は浅い。株で言う損切りと同じです。林の中で打つか宣言するかをどう判断するかは、林・トラブルからの脱出術に詳しく書きました。

前進4打の特設ティは「正式ルールではなくローカルルール」

ティーショットをOBにしたとき、フェアウェイの先に「前進4打」の特設ティを用意しているコースが多くあります。ここで覚えておきたいのは、前進4打は正式なゴルフルールではなく、各コースが進行のために設けているローカルルールだということです。だから基本は競技では使えませんし、コースによっては前進3打だったり、特設ティ自体がなかったりします。近年は、OBや紛失球のときに2罰打で球を失ったあたりの近くから打てるローカルルールを採用するコースも増えてきました。スタート前に掲示やスコアカードの記載を確認しておくと安心です。

プライベートのラウンドなら、特設ティを使うのをためらう必要はまったくありません。ティーまで歩いて戻る往復は、後続の組を確実に待たせます。私は「特設ティを気持ちよく使えるのも大人のたしなみ」だと思っていて、これは50代からのゴルフマナー基本で書いた「同伴者への気配り」の延長線上にある話です。

一方で、月例競技や公式ハンディキャップに使うスコアでは、正規の処置でプレーすることが前提になります。ハンディの仕組みそのものはハンディキャップの基本で解説しているので、競技デビューを考えている方はそちらをどうぞ。

カート道・修理地・水たまりは「罰なし」で動かせる

ここまでは罰打ありの話でしたが、無罰で球を動かせるケースもあります。代表がカート道です。球が道の上に止まった、あるいは構えると足が道にかかる。そんなときは罰なしで救済を受けられます。手順は2段階です。

  1. カート道にまったくかからずに打てる、いちばん近い地点(ホールに近づかない場所)を決める
  2. そこから1クラブレングス以内に、膝の高さからドロップする

同じ処置が、修理地(青杭や白線で囲まれた区域)や、雨上がりの一時的な水たまりにも使えるのが基本です。2019年の改定で、ドロップは肩の高さから膝の高さに変わりました。いまだに肩から落とす方を見かけますが、間違えても膝の高さからやり直せば問題ありません。

もう一つ大事なのは、無罰救済は権利であって義務ではないことです。道の上のほうがライが良ければ、そのまま打ってもかまいません。救済を受けた結果、深いラフに落とす羽目になることもあるので、ドロップ後のライまで見てから決めるのが実戦のコツです。

処置早見表——この1枚で現場は乗り切れる

ここまでの処置を1枚にまとめます。ラウンド前に30秒眺めるだけでも効果があります。

状況罰打処置の基本
OB(白杭)1打直前に打った場所から打ち直し
黄杭ペナルティエリア1打打ち直し/後方線上ドロップ
赤杭ペナルティエリア1打上記2つ+横切った地点から2クラブ以内
アンプレヤブル1打打ち直し/後方線上/2クラブ以内
前進4打の特設ティローカルルール特設ティから4打目(コースの掲示に従う)
カート道・修理地・水たまりなし救済地点から1クラブ以内に膝の高さでドロップ
ボール探し基本は3分まで。怪しければ宣言して暫定球

そのうえで、現場で迷わないための習慣は3つです。少しでも怪しい球は、宣言してから暫定球を打つ。ドロップは膝の高さで、2クラブレングスは基本はパターを除く一番長いクラブ(普通はドライバー)で測る。そして際どい判定は、その場で同伴者と確認して合意してから進める。この3つを回すだけで、処置絡みのモタつきと後味の悪さはほぼ消えます。

まとめ|処置を覚えても打数は減らない。でも失うものが減る

  • OBは1罰打で元の場所から打ち直し(ストロークと距離)。前に進む処置はない
  • 怪しい球は**「暫定球」と宣言してから**もう1球。探すのは基本3分まで
  • 黄杭は打ち直しか後方線上。**赤杭はさらに「横に2クラブ」**が使える
  • アンプレヤブルは1罰打の脱出ボタン。どこでも自分の判断で宣言できる
  • 前進4打はローカルルール。プライベートでは堂々と使い、競技では使わない
  • カート道・修理地・水たまりは無罰。膝の高さのドロップで再スタート

処置を正しく覚えても、打数そのものは1打も減りません。それでも私がルールの型を推すのは、迷う時間と余計な動揺が確実に減るからです。OBの直後に処置でまごつくと、動揺が次のホールまで続きます。逆に淡々と処置できれば、気持ちの切り替えも早い。この切り替えの技術は大叩き後のメンタルリカバリーに書いたとおりで、処置の知識はその土台になります。

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ルールの処置は、ミスした自分を守ってくれる仕組みです。OBの1罰打は取り消せませんが、その後の1分間で固まるか、淡々と次の一打へ進めるかは、知識だけで変えられます。左の林と22年付き合ってきた私からの、せめてもの実戦知です。

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